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カサネ
（千夜子姫……千夜子さん
貴女が、この店から足が遠退いたら
やっぱりさみしいなって思う。
女神でも、姫でもない
ただ一人の千夜子さん
僕を、友人と言ってくださってありがとう
貴女の幸せを、僕はいつも願っています。）
えへへ、どうですか？
愛斗さんや八雲さんに自慢したいな♪
きっとお二人だって千夜子さんをおもてなししても、『描く』なんてしたことないですよ？♪
そうだ☆
聞いてくださいよ！
僕ねパンダ描いたんですよ？
そしたらね、愛斗さんが、眉毛のついたへーんなパンダ描いてね、どや顔するんですよ？
( -`ω-)こんな顔で☆
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カサネ
今日は、タクシーですか？
それとも、お迎え等は……。
脳裏に、僕へラペルピンを下さったあの人の顔が思い描く
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カサネ
吐息と微笑
いつまでも離れがたくなってしまいます。
千夜子さん。
着物姿で片手を胸に当て、片足を少し引いて軽く膝を折る
ありがとう。
我らのお姫様。
そして、これからもよろしくおねがいします。
僕の友人である千夜子さん。
僕はここまで。
また、どこかで。
失礼いたします。
笑顔で千夜子さんを見つめ、今度こそ踵を返す
手元の扇形に切った言葉を大切に懐へしまう
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ルーピー
千夜子
「ありがとう」
去って行くカサネさんの後ろ姿へ、
深くお辞儀をする。
呼んであったタクシーが来るまでの間
千夜子はそのままでいた。
やがて静かに、春の雨が降り出し
黒髪を無数の滴が飾る
到着した車に乗り込む際に
ふと指で払ったのは
雨粒か涙か？
カサネさん、本当にありがとうございました。
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