首
首
『首』を観てきた。
R15+なので覚悟はしてたが、朝9時台から劇場の大スクリーンで人の首が乱れ飛ぶ様を観るのはなかなか堪えるものがあった。
合戦、斬首刑、切腹・・・北野武監督だからオブラートに包むわけがないが、顔を背けたくなるシーンが多数。
でも面白くて先が気になるという・・・。
舞台は戦国時代の下限、本能寺の変から山崎の戦いまで。史実で誰が死に、誰が生き残るかはおおよそ把握しているものの、さっきまで元気だった農民野武士たちがいきなり見境なく死んでいくものだから、なかなか史実を頭に入れ俯瞰して見ることが難しかったな。それも監督の狙いの一つだったかもしれない。
信長は中肉中背の尾張弁でまくしたてながら暴行を働く狂人として。他の武将達もとても憧れを抱きたくなるような人物としては描かかれていない。
下品で野蛮な者達の「首」という天下の取り合い。カッコ良くないからこそ、逆に醸し出される生々しさに惹きつけられた。
当時45、6の羽柴秀吉をビートたけしさんが演じる。流石に歳上の信長に見いだされた家臣というより織田家代々に仕える長老寄りの方にみえてしまったが、メイクで特別若作りしているようには見えず、むしろ開き直っているようでいっそ清々しい。
本人も「興行的に自分が出なくちゃ・・・」とか言っていたので本意じゃなかったかもしれないが、やっぱりコッチとしても、北野監督作品だけでなく俳優ビートたけしも観たいんだよな。
何気ない仕草やセリフ、表情の変化かで、今何を考えているのか、いくつもの感情が揺れ動いている過程なのか、それを律したことで滲み出ているが故の場面なのか。
正解はあっけなく単純なものなのかもしれないが、まだまだ「殿」には楽しませてもらいたい気持ちがある。
最後は皮肉というか、曽呂利新左衛門が劇中で活躍していた事もあって落語っぽさを感じた。
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