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#CAELUM 僕が目の前の二人に提案したもの──それは、僕の持てる技量を全て注ぎ込んだフルーツの盛り合わせではなかった。 月毎の特別メニューにエディブルフラワーを添えてCAELUMならではの豪華さと華やかさを。 フルーツの盛り合わせには、果物で作った花にエディブルフラワーとチョコ細工の蝶を沢山飾って、小さなCAELUM(天国)のように....... 参考に僕が作ったものの写真を見せる。 食事もフルーツの盛り合わせも、厨房に出入りするキャストが十分に再現出来るものだ。 皮肉にもCAELUMを去ると心に決めてから自らの技量に対する執心から逃れて、自分の幸せよりも相手の喜びを深く考えられるようになった。 「CAELUMに来るお客様の求めているものは、日常から離れた特別な時間です。その特別感の演出の手助けになれば、と思います」 淀みなく説明を終えて軽く一礼をする。 先生に言われてホストになった僕ではない、ただの昴の僕は二人を前にやはり緊張している。 でも、飾らない自分を晒すのも自分が選んだ事だから、どんな回答でも全部自分のものとして落ち着いて受け入れられる気がした。 今思えばCAELUMの昴が、その陰にいた臆病で自信の無い昴に外に出る切っ掛けを与えてくれた。 作られた自分は自分ではないと思っていたけれど、それも全部含めて"僕"だったんだ。 「CAELUMに行け」と言った先生の意図は何だったのか、今となっては確かめる術はないけれど───いつかこうして僕に一人立ちさせる為だったような気がする。 それに僕はもう一人ではない。 CAELUMで人と関わることの喜びを知ったから。 (僕のこの手は自分の幸せと皆の喜びをつなげる事が出来る) 僕は自分の手を見て小さく微笑んだ。 ~完~ 愛斗さんとの会話 https://sketch.pixiv.net/items/1431595828617577122 カサネ君との会話 https://sketch.pixiv.net/items/7490890314848273258 お二方のセリフをお借りしました。 掲載許可ありがとうございました!
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しば つかさ 🌹
八雲 「……昴くん いい顔になったね あのときとは、まるで別人 何があったの?ふふ……」 「その自信に溢れた貌、好きだよ 昴くんとは、ようやく同じ立場で語り合えそうだね 近いうちにお店に伺うよ 少し相談したいことがあるからね いいよね?」 まっすぐこちらを見て メニューの提案をしてくる昴くんに、 あの時のことを思い出す 自信を持てるような、おまじないを かけて欲しいといっていた半年前のこと…… 自分を守るために、あえて 争わないで負けることを避けている……とかいっていたのに、 いまはもう敗北など恐れないほどの迫力が 全身から静かに漲っているようだ
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おたか(低浮上)
昴「.......もちろんです、八雲さん。是非僕の店にお越しください」 僕は八雲さんの視線を逸らすことなく受け止めた。 八雲さんの瞳はあの時と変わらず美しく鋭いが、今は僕の変化を面白がるような柔らかな光が浮かんでいる。 昴「あの時というのは─── 僕が八雲さんに泣かされた時の事、ですね。 貴方が"僕"を引きずり出して、 無様に泣かせてくれたからこそ 今の僕がいるんです」
おたか(低浮上)
CAELUMで涙を流した事は何度もあったけれど、隠してきた弱い自分を暴かれて屈辱と無力に泣いたのは八雲さんの前だけだ。 (いつか僕にしか無いものを手に入れて、貴方の前に立ちます) 負けを自覚して、泣きながらそう言ったのを覚えている。 昴「今度は同じ立場で話して下さるのですね。 貴方のおかけで.......ようやくここまで上がって来ることができました」 そして八雲さんに名刺サイズのカードを差し出す。 昴「これは来月開店する僕の店の情報です。オープンしたら是非.......。 僕が八雲さんのお役に立てるのなら嬉しいです。 CAELUMのメニューについても是非ご一考ください」
おたか(低浮上)
八雲さんは柔らかな笑みを浮かべている。 僕は八雲さんに向かって心からの一礼をした。 (八雲さんありがとうございます。僕はようやく僕にしかないものを手にして自分の道を行く事ができます)
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ぼんぼ (低浮上)
愛斗「そのコーディネイトを見れば判る。 率直に自分自身に向き合って、似合うもの・好きなものを見付けた・・・って事がね。 提案はもちろん拝聴するよ。指導すべき後輩ではなく、プロフェッショナルなアドバイザーの意見として。 八雲の言う通り、いい顔してるぜ? 皆は“変わった”と言うかもしれないが、ただ“殻を破って出てきた”だけだよな。俺から見ればさ。 あの・・・長い休みが欲しい、と相談してきた時。 戻る頃には、腹を括ってくるだろう、と予想してたんだよ。妙に潔い処があるからな、昴は(クスクス) 円満退社だからなw たまには顔出せよ? 店に行ったら旨いもん食わせて貰えるよな?(wink☆)」
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おたか(低浮上)
昴「愛斗先輩はどこまで千里眼なんですか?.......本当、敵いませんね。 このスーツ、僕が自分で選んだんです。 慣れなくて照れるけれど.......自分で選んだものを認めて貰えるのがこんなに嬉しいとは思いませんでした」 そして僕はホストとしてではなく、料理人としての僕を選んだ。 (円満退社か.......) 厳しくて優しい先輩の言葉に心が温まる。 温まりすぎて涙腺が緩んだらまたドヤされるんだろうな。
おたか(低浮上)
昴「先輩.......僕はCAELUMで成すべき事は成しました。 ゲストとしてもCAELUMで皆に会う事はないでしょう。 ───でも、自分の仕事として.......CAELUMからの依頼があれば顔を出しますよ?」 冗談めかして笑って言う。 実際には内勤の料理担当も居るし、料理人としての僕は不要だろう。僕は僕の城を守る。 昴「愛斗先輩が来て下さったら腕によりをかけて美味しい料理を出しますね。 先輩.......僕は、僕の出来ることで多くの人を喜ばせられるように頑張ります。 ホントだ先輩と同じですね。何だか心強いな」
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おたか(低浮上)
僕は嬉しくなって、どちらが沢山の人を喜ばせられるか競争だ!と思った。でもこれは愛斗先輩の圧勝かな。 .......だって僕も先輩に喜びを貰っているし、先輩がどれだけ多くの人を喜ばせる為に心を砕いているのか知っているから。 最後の心残り。 もう一度、先輩に壁ドン指南受けておけば良かったな....... 愛斗先輩が話を聞いてくれた事に感謝しつつ、こんな事をそっと思う昴だった
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にゃんずき
目から熱いものが… 私からは花束💐贈りたい 色んなな経験いましたね💖
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おたか(低浮上)
花束💐ありがとうございます! 無事に着地点に到着しましたよー\(^o^)/✨ 去年の夏頃からこの企画に向けてネタを練っていたので、ほぼ1年かけてここまで描けて感無量です。 昴だけじゃなくて私も色んな経験ができました❤ ここから自分の店を持って独立する話をゆっくり描いていくので、またにゃんずきさんに見ていただけると嬉しいですヾ(*´∀`*)ノ
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#CAELUM 【昴退店のお知らせ】 昴は自分の店を開くためにCAELUMを退店します。 素のままの自分でホストを勤めた後、客席10席、カウンターのみの小さな割烹料理店を開きます。 自分の手の届く範囲で料理と接客が出来る、昴にとって最高のステージです。 昴のお店選びで譲れなかった一点は「ピアノを置ける事」 理想通りの物件を前の職場の仲介で手に入れた昴は、CAELUMで頑張ってきたお金でスタインウェイのピアノを買いました。 (グランドピアノは無理なので、アップライトの中古でしたが.......) 開店した「創作割烹 昴」には時々翼君が来て給仕の手伝いとピアノ演奏を聞かせてくれます。 興に乗った時は翼君のピアノと昴のちくわ笛の二重奏が聴けるとか。 お店に来るお客様と昴の話はまたの機会に.......。 CAELUMに関わった全ての皆様に、こうして無事に昴が自分の道を歩む事ができた事、昴と私に居場所を与えて下さった事に感謝致します。本当にありがとうございました!
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#CAELUM #カサネ よ、よかった。 僕のオーダー通って💦ホッ (手入れをサボりすぎちゃったからな💦 また、マメに通おう……) #CAELUMスピンオフ ✂️ヘアサロン世紀末✂️ CAELUM近くのヘアサロン オーナーはじめスタッフ全員が同好の士。 ヘアカタログと一緒に、 北斗の拳が一式置いてあるが、これも実はヘアカタログ。 「おまかせで」 とオーダーが入った際には、 極めた腕前を披露してくれるので、 「こうして欲しい」という髪型があるときは、 ついてくれた担当さんにちゃんと伝えることが重要な店。
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