港に行く。
誰ぞ彼どき。
堤防のザラザラしたコンクリに寄りかかって、港の方を見た。
闇に抗い、陽は強く輝く。
カラス群れが山の上で舞っている。
人生の終わりに見るような光景だなと思った。
――そのとき、あなたのそばには誰がいましたか?
いつだかの心理テストの質問を思い出す。
あのとき、舌足らずだった私の小さなインタビュアは、今や2児の母だという。
帰りに、神社の前を通ると、階段から白い猫が降りてきた。
後ろに回り込んで、身体を擦り付けてくる。
食い物をやると、トテトテとついてきて、そのうちいなくなった。
連休ともあって、港には釣り人たちがたくさんいた。
小さな椅子に腰掛けた彼らの顔をオレンジ色ランプが、照らしている。
#気分
#スケッチ