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厶厶郎(ボウシロウ)
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厶厶郎(ボウシロウ)
嵐の夜、外においていた明かりが雨風で消えてしまい中に夜が入り込んだ。内側に入り込んだその夜に夫と息子を奪われるとき、何もできなかった。その時ばかりは恐怖が上回って何もできずただただ体を震わせ見ているだけだった。
そんな臆病で卑怯で無力な自分を悔い何度も何度も後悔と自責を繰り返し続け、愛するものを守れなかった記録者として生きている限り夜を記録し残すことがせめてもの償いになるようにと願いながら、二人に会えるその日を待ち望んでいる。
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厶厶郎(ボウシロウ)
以前は今よりも髪が長く、ワンピースやスカートを好んで履くような女性だった。元気で健康で夫や息子と幸福を分かち合いながら暮らしていた。
夜の一族のこともただ、禍々しさと神秘的な美しさに惹かれていただけでやると言っても調べたり話を聞くことぐらい。本当に趣味の範囲内で、接触を試みるなどの危険行為はしなかった。
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厶厶郎(ボウシロウ)
彼女の事情を何も知らない者からすると、
彼女の印象は『とにかく変で、饒舌でうるさいおどけたゲラ女』である。
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