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mitsumame
『大きくて小さい』
「ぬしさま、本日は、お揚げの素を植えまするか」
大きな掌に、小さな大豆をひとつだけ乗せて、小狐丸が嬉しそうに微笑んだ。
「この小さき豆が、育ってたくさんの実をつける。なにやら愛しゅうございますな」
田植えも無事終わり、大豆の植え付けは頃合いではあったが、今日を選んだのはたまたまだった。
「あなたはまた、丁度良く畑当番に当たったものだね」
小狐丸は大きななりをして、尻尾があれば振ってでもいそうな様子だ。しなやかに軽い足取りで、楽しそうに、畝に豆を撒いていく。
「ぬしさま、ぬしさま、『大きいけれど、小さい』小狐丸が、『小さいけれど、大きい』大豆を植えますよ」
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mitsumame
弾むように、舞うように。
柔らかく眩しい、陽射しの中で。
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mitsumame
2021.5.7 mitsumame.（コメント欄に書き下ろし）
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