#サクラ祭り #桜 #ポートピア連続殺人事件 #ヤス #犯人はヤス
平田の死は「ただの自殺」だった。
ただの、と言ったら死者に対して不謹慎だ。
だが、山川耕造殺害事件に関与しているのではと目星をつけいた平田が、監察医の死亡推定時刻により殺人への関与は有り得ないと結論付けられたのだ。
山川から多額の借金をしていた平田が借金を苦に山川を殺して自殺。
──ヤスは事件をこのように推理していた。
早く事件を解決したいという意気込みもあったのだろう、本部から報告を受けたヤスの顔は暗い。捜査が振り出しに戻ったからだ。
今日も山川耕造殺害の捜査の為に桜が舞い散る小路をヤスと共に歩く。
「ボス、桜の樹の下には屍体が埋まっている……という話をご存知ですか?」
吹き荒れる風に舞う桜吹雪の美しさに感化されたのか、道端に降り注がれた花びらを手に取って弄びながらヤスが振り返る。
「……知らんな。何だ、お前が殺して埋めたのか?」
冗談めかしたヤスの問いに俺は笑いながら問い返す。
ヤスの手から零れる花びらが、何故か違う色に見えた。
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じろ先生、桜まつりに参加させて頂きました!
綺麗な、可愛い桜ではない方のイメージです。
江戸時代初期までは桜は一気に散る事から不吉な花のイメージだったとか。
ポートピアのヤスもそっちのイメージが似合いそうです。