#ゴブリン #突然変異 #つのっこ #先祖返り #女名の子 #落書き 醜い小鬼の代表格のゴブリン族だが、元を辿ればエルフのような美しい半妖精族が祖である。
古の神魔戦争で魔神につき、敗北による呪いで緑の肌、あらゆる雌と交尾することで数を殖やすしかない醜悪な存在となり下がったのだと実しやかに言われている。
というのも、極く稀に先祖返りした者が生まれてくるのだが、その容姿がゴブリンとは思えぬ程に際立っているからだ。
それはさながら妖精のよう・・・と詩われる程だ。
しかしながら、ゴブリンにとって何故かそれは忌むべき存在のようだ。メスとみれば獣ですら犯さんとする彼らでも、先祖返りは繁殖用の苗床として育てようとはせず、殺してしまうのだから。
そのため、先祖返りゴブリンが人目につくことは非常に少ないが、ゼロではない。
苗床とされた不幸な女性たちが産み落とすことがあるからだ。
彼女、「ニョサ・クー」はそんな希少な存在である。
ゴブリンの巣から助け出された苗床の女が産み落としたことでなんとか即殺を免れたのだ。
それが彼女にとって幸いであったかは別であるが・・・。
なにしろ、彼女は狂った母親の怨嗟を浴び、その手で殺されかけたのだから。
本来の種であるゴブリン、産みの親である人間双方に忌み疎まれる存在の先祖返りにとって、この世界は残酷だったに違いない。
まあ、風変わりな「はぐれオーク(純情派)」が彼女を拾い、「ニョサ・クー」と名付け育てなければ、の話ではあるが。